インプラントがうまく接合しない、外れてしまう…そんなお悩みをお持ちの方へ
2025/11/14
インプラントオフィス大通には、他院でインプラント治療を受けた後、インプラントが外れてしまったという方もご来院されることがあります。
インプラント治療を行ってもインプラントが脱落してしまう場合、インプラント体(フィクスチャー)が取れるなら、初期固定やオッセオインテグレーションが関係している可能性が高いといえます。
コラムでも多く触れてきたオッセオインテグレーションとは、チタンと骨の結合現象のことで、現代のインプラント治療は、このオッセオインテグレーションによってインプラントと顎の骨がしっかり接合されることが基本となっています。
このほか、インプラント体(フィクスチャー)は取れないけど、その上の被せ物(人工歯)は取れてしまうということもあるでしょう。
今回は、このようにインプラントが外れてしまう原因について、症状ごとに詳しくご紹介します。
インプラント体(フィクスチャー)が外れてしまう原因
まず、インプラント体(フィクスチャー)が外れてしまう原因について解説していきましょう。
オーバーヒート
インプラントを埋め込む時、ドリルを使って顎の骨に穴を開けていきますが、この際はどうしても摩擦熱が生じます。
この摩擦熱が大きくなりすぎると、骨が火傷をしてしまう症状が現れ、これをオーバーヒートと呼びます。
オーバーヒートが生じると初期固定が得られず、正常なオッセオインテグレーションが起こらなくなってしまいます。
オーバーヒートを防ぐには、摩擦熱が大きくならないよう、ドリルの回転速度に十分注意し、水による冷却をしっかり行うのがポイントになります。
インプラントの埋入位置が良くない
インプラントを埋め込む位置や間隔にもルールがあるって知ってた?のコラムで解説したとおり、インプラントを埋め込む場所は、噛み合わせの関係、顎の骨の厚みや幅などを考慮して、最適な位置を選ばなくてはなりません。
もし、インプラントの埋入位置が最適な場所からずれていると、不適切な噛み合わせによる力がインプラントにかかり、オッセオインテグレーションを阻害することがあります。
これを事前に防ぐには、インプラント治療を受ける前に必要な検査とは?のコラムでお伝えしたように、レントゲンや三次元CTを駆使した綿密な検査が必要になります。
また、より正確にインプラントを埋入できるよう、サージカルガイド(ガイドサージェリー)を使用するのも有効です。もちろんインプラントオフィス大通では、サージカルガイド(ガイドサージェリー)を使用したインプラント治療を行いますので、ご安心ください。
サージカルガイド(ガイドサージェリー)について詳しく知りたい方は、インプラント治療で使うサージカルガイドとは?のコラムを併せてご参照ください。
糖尿病
糖尿病は、インスリン不足により起こる病気です。
インスリンは、細胞がエネルギーを取り込むのに必要なホルモンですが、糖尿病の方はインスリンが不足するので、全身の細胞もエネルギー不足になってしまいます。
そのため、コントロールが良くない糖尿病の方は、インプラント手術後の治りが悪くなりやすく、オッセオインテグレーションもうまく促進されない傾向があります。
より詳しい糖尿病とインプラントの関係性については、糖尿病の方もインプラント治療は受けられる?のコラムをご参考になさってください。
骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨の強度の低下により骨が脆くなり、折れやすくなる病気です。
インプラントに大切なオッセオインテグレーションの前段階である初期固定がうまく行くかどうかは、インプラントを埋め込んだ場所の骨の状態によっても左右されます。
骨粗しょう症の方は、骨密度が下がっていたり、骨が劣化していたりするので、初期固定が得られない可能性があります。インプラント治療における骨粗しょう症のリスクについては、インプラントと骨粗しょう症の関係性のコラムで解説しておりますので、併せてご参照ください。
ビスフォスフォネート製剤を使っている
インプラント治療を避けた方が良い場合のコラムで触れていますが、ビスフォスフォネート製剤は、骨粗しょう症や悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症などの治療に使われている薬です。
有効性の高い優れた薬なのですが、この薬を使っている方が抜歯やインプラント手術など、顎の骨に関係する処置を受けた後、顎の骨が壊死することがあり、これを薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)といいます。
インプラント手術を受けた箇所で顎骨壊死が起きると、インプラント周囲の骨がインプラントを支えられなくなり、インプラントが脱落してしまいます。
喫煙習慣
タバコを吸うと血管が収縮するので、血流が悪くなります。血液の流れが悪くなると、インプラント手術後の治りが悪くなるだけではありません。
インプラントに欠かせないオッセオインテグレーションは、インプラントの周囲に新しい骨が生み出されることによって進むのですが、血液が足りないと新しい骨が作られにくくなります。
タバコを日常的に吸う方は、オッセオインテグレーションが起こりにくくなるので、インプラントが外れやすくなるリスクがあります。
インプラントへのタバコの影響のコラムでもお話ししていますが、インプラント治療と日頃の健康のためにも禁煙を心がけましょう。
メンテナンスを怠っている
インプラントは定期的なメンテナンスが大切!のコラムでお伝えしているとおり、インプラント治療後はメンテナンスフリーではありません。治療が終わった後、定期的なメンテナンスを受けなければ、インプラントを良好な状態に保つことができないのです。
注意して!インプラント治療後は放置すると様々なトラブルが…のコラムでお話ししたように、メンテナンスを怠れば、インプラント周囲炎を起こすことがあります。
インプラント周囲炎はインプラントの歯周病とも言える病気で、インプラントの周囲の骨が少しずつ溶けていき、最終的にはインプラント周囲の骨が広範囲に失われてインプラントを支えられなくなり、インプラントが脱落してしまいます。
大切なインプラントをインプラント周囲炎から守るためにも、必ず定期的なメンテナンスを受けるようにしましょう。
インプラントの被せ物(上部構造)が外れる原因
ネジの緩みやセメントの劣化
インプラントと上部構造と呼ばれる被せ物の付け方は色々ありますが、そのひとつがスクリュー固定というネジ止めです。これは文字どおりネジですから、使っていくうちに緩みが生じ、被せ物が外れてしまうことがあります。
スクリュー固定とは異なり、通常の被せ物のように、インプラントと上部構造をセメント(接着剤)を使って接合する方法もあります。こちらはセメント合着といいます。セメント合着の場合は、セメントの経年劣化により被せ物が外れてしまうケースがあります。
インプラントの接合方法については、インプラントのスクリュー固定とセメント合着とは?固定法の違いを紹介のコラムで解説していますので、興味のある方は、併せてご参照ください。
歯ぎしりや食いしばり
インプラントでも歯ぎしりは起こる?のコラムでもお話ししましたが、通常の歯の詰め物や被せ物が、歯ぎしりや食いしばりで外れることがあるのと同様に、インプラントの被せ物(上部構造)も、歯ぎしりや食いしばりによって外れてしまうことがあります。
もし、自覚がなくても、何度も被せ物(上部構造)が外れてしまう場合、歯ぎしりや食いしばりなどの癖がある可能性が高いといえます。
ネジの緩みやセメントの劣化は、長期間使っていて起こるのに対し、歯ぎしりや食いしばりによるものは、比較的短い期間で起こります。
また、こちらもインプラントでも歯ぎしりは起こる?で解説したように、天然歯と異なり、インプラントには歯根膜(しこんまく)がなく、歯ぎしりや食いしばりに弱い状態です。歯ぎしりや食いしばりが気になる場合は、マウスピース(ナイトガード)などで、大切なインプラントを守るようにしましょう。
これら以外のインプラントのトラブルについては、インプラント治療後のトラブルってどんなもの?対処法は?のコラムでも取り上げておりますので、ご参考になさってください。
信頼できる歯科医院でトラブルのないインプラント治療を
今回は、インプラントの接合がうまくいかない場合や、インプラントが外れてしまう原因についてお話ししました。
これらはいずれも対処可能なものですが、適切な対応ができなければ、何度も繰り返し起きてしまいます。治療に際し、トラブルが起きないようにするには、インプラントの専門的な知識に加え、豊富な経験に裏打ちされた技術も欠かせません。
インプラントオフィス大通では、北海道大学歯学部教授も務める千田理事長のもと、医療法人社団 千仁会のインプラント専門医が、安心のインプラント治療をご提供いたします。予後のトラブルのない、信頼できるインプラント治療をお考えなら、札幌のインプラントオフィス大通にご相談ください。

