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コラム

インプラントのかなめ、オッセオインテグレーション(Osseointegration)って?

2024/2/18

インプラントのかなめ、オッセオインテグレーション(Osseointegration)って?

前回、始まりは紀元前!?インプラントの歴史インプラントコラムで、インプラントがどのように進化を遂げ、現在の形になったのかをご説明しました。

お伝えしたように、現代のインプラント治療は、チタンと骨の結合現象『オッセオインテグレーション』を利用しています。このオッセオインテグレーションにより、チタンで作られたインプラントと骨がしっかりと結合することで、ぐらつかず、しっかり噛めるようになっています。

しかし、このオッセオインテグレーションの発見は偶然の産物であり、どうしてチタン(金属)と骨が結合するのか、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、なぜオッセオインテグレーションが起きるのか、また、どのような点に注意すればオッセオインテグレーションが上手く機能するのかについて、お話ししましょう。

オッセオインテグレーションとは?

上述のとおり、オッセオインテグレーションとはチタンと骨が結合する現象のことを指します。ラテン語のオッセオ(骨)と英語のインテグレーション(結合)からなる造語で、この現象を発見したスウェーデンのブローネマルク博士により名づけられました。

オッセオインテグレーションの仕組み


オッセオインテグレーションの仕組み

チタンで作られたインプラントの表面は、酸化膜で覆われています。酸化膜と骨が接触すると、酸化膜が骨の分子を引き寄せて、結びつこうとします。これを物理結合といいます。

また、骨の中には血液が流れていますが、血中に含まれる水素イオンが酸化膜に骨の細胞を結合させることで、水素結合という現象が起きます。この他にも、共有結合イオン結合という作用も生じます。

このように、様々な化学的な結合作用によって、骨の分子がチタンの酸化膜に引き寄せられ、骨とインプラントが結合すると考えられています。

オッセオインテグレーションに必要な日数


オッセオインテグレーションに必要な日数

インプラント治療の流れでもご説明していますが、インプラントはすぐに骨と結合するわけではなく、相応に日数がかかります。

インプラントと骨が結合するまでに要する期間は、患者さんの骨の状態によって異なりますが、おおよそ60日前後と考えられています。

オッセオインテグレーションが上手くいかない時は?

実はオッセオインテグレーションは、必ず上手くいくというわけではありません。もし、埋め込んだインプラントにオッセオインテグレーションが起こらなかったら、残念ながらインプラントは失敗になります。

もちろんインプラントオフィス大通では、入念な検査を行ったうえでインプラント治療を行うため、成功率は極めて高いのですが、オッセオインテグレーションが順調に進むためには、押さえておくべきポイントがあります。

以下で、オッセオインテグレーションが上手くいかない時の原因を、具体的に挙げていきましょう。

タバコ


オッセオインテグレーションが上手くいかない理由:タバコ

自然の歯に対してもですが、インプラントに対してもタバコは良くありません。

タバコにはニコチンが入っています。ニコチンには、血管収縮作用があるのですが、この働きにより、インプラントの周囲の血管が縮み、血液の流れが悪くなってしまいます。

すると、オッセオインテグレーションに必要な栄養や酸素が届きにくくなり、インプラントと骨が結合しにくくなります。喫煙習慣のある方は、禁煙外来を受診したり、禁煙グッズを使っうなどして、禁煙を心がかけましょう。

糖尿病


オッセオインテグレーションが上手くいかない理由:糖尿病

糖尿病になると、細菌感染を起こしやすくなったり、傷の治りが悪くなったりします。

もし、糖尿病のコントロール状態が良くないと、インプラント埋入後の治りが悪くなったり、細菌感染が起こりやすくなります。すると、インプラントと骨の結合も起こりにくくなりますので、糖尿病の状態が悪い場合は、まずはそちらの治療を優先することをおすすめします。

骨のやけど


オッセオインテグレーションが上手くいかない理由:骨のやけど

インプラントを埋入する際は、ドリルで骨に穴を開けますが、この時、摩擦で熱が発生します。水をかけながら穴を開けるのは、発生する摩擦熱を冷ますためです。

もし、水で十分冷やせなかったり、ドリルを過度に当て過ぎて摩擦熱が高くなると、骨が摩擦熱により、やけどに似た状態になります。

すると、骨にダメージが生じ、オッセオインテグレーションが起こりにくくなります。

細菌感染


オッセオインテグレーションが上手くいかない理由:細菌感染

お口の中には細菌がたくさんいます。その数は、歯磨きがきれいにできている方で1000億個、そうでないと1兆個とも言われます。

インプラントを埋入する際は、できるだけ細菌が入り込まないように、細心の注意を払って手術を進めます。しかし、何らかの理由でインプラントに細菌が付着してしまうと、インプラントが感染源となり、オッセオインテグレーションが起こりにくくなってしまいます。

もちろんインプラントオフィス大通は、最新の設備を備え、徹底してクリーンで衛生的な環境のもと、インプラント治療を行っておりますので、ご安心ください。

インプラント自体の不良


オッセオインテグレーションが上手くいかない理由:インプラント自体の不良

インプラントメーカーは、製造時に問題が生じないよう、細心の注意を払ってインプラントを作っていますが、やはり絶対ということはありません。

オッセオインテグレーションはチタンと骨の結合現象なので、インプラントの製品自体に問題があったり、異物が入っていたりすると、オッセオインテグレーションの状態が低下しかねません。

インプラントオフィス大通では、スウェーデンのノーベルバイオケア社製のインプラントと、スイスのストローマン社製のインプラントを採用しています。どちらも世界的なトップシェアを誇る信頼性の高いブランドですので、製品品質には定評があります。

確実なオッセオインテグレーションのために


確実なオッセオインテグレーションのために

今回は、インプラント治療のかなめとなるオッセオインテグレーションについて解説しました。オッセオインテグレーションを上手くいかせるためには様々なポイントがあります。

患者さんに心掛けていただきたいこととしては、まず喫煙習慣のある方は、禁煙にトライしてみましょう。持病に糖尿病がある方は、そのコントロールを十分に行う必要があります。もちろん糖尿病だけでなく、高血圧症や肝臓病、腎臓病もインプラント治療のリスク要因なので、全身的な健康管理は十分にしておくのが大切です。

インプラント治療の症例が豊富な歯科医院がおすすめ


インプラント治療の症例が豊富な歯科医院がおすすめ

そしてインプラント治療を受診する歯科医院は、やはりインプラント治療の症例が豊富なクリニックがおすすめです。インプラント治療は、事前の綿密な検査から、精緻な埋入手術、その後のアフターケアに至るまで、確かな知見と、しっかりと患者さんをケアできる体制が求められます。

インプラントオフィス大通は、医療法人社団千仁会の理念の下、充実した最新の環境をご用意し、信頼できるインプラント治療を提供いたします。担当医師のご紹介でもお伝えしていますが、当院の千田理事長は、北海道大学歯学部の臨床教授を務め、インプラントについての各種セミナーも行っており、インプラントオフィス大通のスタッフたちは、インプラント治療の知見と経験が大変豊富です。

インプラントについてご質問がある方や、詳しく知りたいという方には、インプラント無料相談も随時実施しておりますので、札幌でインプラントをお考えの方は、ぜひインプラントオフィス大通にご連絡ください。