インプラント治療のリスクと対処法、失敗しないクリニックの見分け方とは?
2025/1/18
これまでインプラントコラムでもお伝えしてきたとおり、インプラント治療は、失われた歯が持っていた形、色合い、噛み合わせなどを普通の歯と同じように回復できる優れた治療法です。その成功率は約9割と高いのですが、リスクがゼロというわけではありません。
高額な治療費を支払ってもリスクがあると思うと、心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、それらリスクの多くには、失敗を防ぐ方法があります。もちろんインプラントオフィス大通では、インプラント治療におけるリスクを極力減らせる最新設備や衛生管理体制、人員を整えているのでご安心ください。
今回は、インプラント治療におけるリスクとその予防法、また、どのようなクリニックならば安心できるインプラント治療を受けられるのかについてご紹介します。
インプラント治療におけるリスクと対処法
インプラントと骨の結合不全
オッセオインテグレーションのコラムで解説したとおり、チタンには骨と結合する性質があり、インプラントはこの現象を利用するためにチタンで作られています。
インプラント治療後のトラブルのコラムでもお話ししましたが、骨とインプラントがしっかり結合しないと、グラグラして噛めませんし、場合によっては抜けてしまうこともあります。このような結合不全を起こす原因としては、細菌感染や喫煙などが指摘されています。
【対処法】
インプラントと骨がしっかり結合するには、インプラントや処置に使う器材を確実に滅菌、消毒して管理することが重要です。細菌や汚れがインプラントと骨の間に入り込むと結合不全が起こるからです。
また、喫煙者の方は禁煙に取り組みましょう。そして、インプラント治療は誰でも受けられる?のコラムでお伝えしたように、糖尿病や高血圧、使用中の薬に問題があると、インプラント治療が行えない可能性もあるので、疾患をきちんとコントロールしておくことも大切です。
神経の損傷
インプラント治療で神経が傷つくことがある?のコラムでお伝えしましたが、下顎の奥歯の下には下歯槽神経(かしそうしんけい)という下唇や顎先の感覚を担う神経が、奥歯の内側には舌神経(ぜつしんけい)という舌の感覚の神経が通っています。
インプラント治療で、インプラントを埋め込む際に神経を傷つけてしまうと、その神経の支配領域の感覚が痺れてしまう可能性があります。
【対処法】
神経を傷つけないようにするには、インプラント治療を受ける前に必要な検査とは?のコラムで解説したように、しっかりとした治療計画に基づいた事前の検査が大切です。
レントゲンやCTを使用し、神経の位置を正確に把握したうえで、インプラント治療に臨むのが原則になります。
上顎洞(じょうがくどう)への迷入(めいにゅう)
上顎洞(じょうがくどう)とは、鼻の横、目の下、上顎の上にある骨の空洞です。上顎洞の底には上顎骨があり、この上顎骨の厚みが薄いと、インプラントを埋めるために穴を開けた時に、貫通してしまうことがあります。
上顎骨が貫通すると、お口に含んだ水分が鼻に流れてしまう他、インプラントを埋める時にインプラント自体が上顎洞に入り込んでしまうリスクが生じます。詳しくは上顎のインプラントが難しい理由のコラムでお話ししていますので、併せてご参照ください。
【対処法】
神経損傷や上顎洞への迷入を防ぐには、インプラントを埋め込む予定箇所にある骨の状態の入念な検査が必要です。
インプラントのサイズや、インプラントを入れる方向を詳細に検討すると同時に、骨の厚みが足りない場合は、コラムでもお伝えした骨造成も検討します。
仕上がりの違和感
インプラントの上部構造(人工歯の部分)は、他の歯と比べて違和感のないバランスの取れた形、色合い、噛み合わせにすることが求められます。
しかし、時として上部構造の仕上がりに違和感が出ることがあります。違和感の原因としては、インプラントを埋め込む位置や方向などがあります。
【対処法】
インプラントの上部構造の違和感を防ぐには、まずインプラントを埋入する位置や方向を事前にしっかりとシミュレーションしておくことが大切です。
また、上部構造を作る前に、完成後を模した仮歯(プロビジョナルレストレーション)を作り、一度試してみるのも、仕上がりの違和感を防ぐ方法の一つです。
上部構造の破損や脱落
インプラント治療後のトラブルのコラムでもお伝えしましたが、インプラントの上部構造が欠けたり、外れたりすることもあります。上部構造が欠けたり外れたりする原因は、歯ぎしりや食いしばりなどの噛み合わせの癖、上部構造をつなげているネジの緩み、セメントの劣化などが挙げられます。
【対処法】
注意して!インプラント治療後は放置すると様々なトラブルが…のコラムで解説しているとおり、上部構造の破損や脱落を防ぐには、治療後の定期的なメンテナンスが重要です。
骨に固定されたインプラントは動くことがありませんが、他の歯は動くので、噛み合わせが変わってくる可能性があります。定期的に噛み合わせや、上部構造の緩みがないかをチェックすることで、上部構造の破損や脱落を防止できます。
インプラント周囲炎
これまでもコラムでお伝えしてきたインプラント周囲炎は、インプラントの歯周病とも言える病気で、進行するとインプラント周囲の骨が溶けてしまい、最終的にはインプラントが抜けてしまいます。
インプラント周囲炎の原因も、通常の歯周病と同じく、お口の中の細菌の増殖により付着するプラーク(歯垢)です。
【対処法】
インプラント周囲炎を防ぐためにも、前項でお伝えしたインプラント治療後に定期的にメンテナンスを受けることが大切になります。
特に自覚症状がなくても、自然の歯と同様に、一定の間隔で歯科医院を受診して口腔内の状態をチェックし、お口のクリーニングをしてもらいましょう。
失敗しないクリニックの見分け方は?
患者さんの意思決定の尊重
患者さんがインプラント治療を受けるかどうかの意思決定はとても重要です。説明を聞いて検討したうえで、止めようと思う方もいらっしゃいます。
ただ、中には引き留めようとする歯科医院もあるかもしれません。もちろん、インプラント治療を受ける・受けないは、患者さんの意思次第です。強引に説得するようなことはあってはなりません。
インプラント治療を受けるかどうか、患者さんの意思決定を重視している歯科医院を選ぶのがポイントです。
デメリットもきちんと説明するか
どんなことにも共通することですが、メリットの裏にはデメリットが必ずあります。
インプラント治療の術前の説明に際し、メリットばかり説明していないか、デメリットもしっかり説明してくれるかどうかも、見極めるポイントになります。
インプラントオフィス大通では、インプラントコラムを通じ、インプラント治療のメリットだけでなく、デメリットやリスクもきちんとお伝えしています。もちろん直接ご来院いただいて、ご相談くださっても構いません。
術前検査への取り組み状況
インプラント治療で失敗するケースの多くは、術前の検査に原因があります。どのような検査を行うかは、先ほどもお伝えしたインプラント治療を受ける前に必要な検査とは?のコラムで詳しく解説していますので、ご参照ください。
インプラント治療は外科治療の一種ですので、全身状態の把握は大変重要です。現在治療中の病気だけでなく、過去の病歴、食べ物や薬へのアレルギーの有無など、クリニック側が全身状態をきちんと把握してくれているかどうか、確認しましょう。
また、インプラントを埋入する骨の状態をCTで立体的に把握しているか、衛生状態を含め、お口全体を総合的に検査してくれるかも確認してください。
歯科医師の経験
歯科医師にどれくらいのインプラント治療経験があるかどうかも大切です。ただ、経験数が多いというだけで、成功するか失敗するかを判断するのは難しいところもあります。
どれくらいの年月にわたりインプラント治療に携わっているか、どのような治療経験を経ているか、またそれを裏付けるような実績がクリニックにあるかなどを見てみると良いでしょう。
インプラントオフィス大通は、北海道大学歯学部の臨床教授を務める千田理事長が率いる、医療法人社団 千仁会の経験豊富な専門医が多数在籍しています。
トップページでもお伝えしているとおり、インプラント治療を担当する歯科医師には、臨床経験30年以上のスタッフもおり、男女年齢を問わず、豊富な治療実績がありますので、安心してお任せください。
衛生管理の状況
インプラント治療に用いる器材を適切に管理しているかどうかも見極めのポイントの一つです。
インプラント治療に使用する機器をきちんと滅菌し、衛生管理を徹底しているか、そして、使い捨て器材が選べるものは使い捨て器材を使っているかどうかをチェックしましょう。
治療後のメンテナンスの有無
インプラント治療は、上部構造という人工歯を装着したら終わりではありません。インプラントは定期的なメンテナンスが大切!のコラムでもお話ししましたが、インプラントを長持ちさせるためには、長期的なメンテナンスが不可欠です。
ですから、インプラント治療後のメンテナンス体制が充実しているかどうかも見極めるポイントの一つになります。もちろんインプラントオフィス大通では、治療後のメンテナンスを重視しています。
インプラントオフィス大通では、1~3ヵ月ごとの定期健診を行い、患者さんの状態に合わせたインプラントのメンテナンスを行っています。各種検査や歯のクリーニングを行い、インプラントが長持ちするように、患者さんをしっかりサポートいたします。
インプラントオフィス大通は、確かな知識と経験で安心のインプラント治療をご提供いたします
今回は、インプラント治療のリスクやその対処法、そして失敗しないクリニック選びについてお話ししました。
インプラント治療にはリスクもありますが、十分な知識と経験を有した歯科医院であれば、きちんと対処することができます。
冒頭でもお伝えしたように、インプラントオフィス大通は、最新の設備の下、豊富な知識と経験を有した専門医がインプラント治療を担当します。
さらに、インプラント治療時のリスクを限りなくゼロにするために、インプラント症例検討会を行い、複数の医師による治療計画を多角的に検討することにも励んでいます。
札幌 大通でリスクの少ない、安心できるインプラント治療をお考えの方は、ぜひインプラントオフィス大通にお問い合わせください。また、他地域にお住まいの方は、今回お伝えしたクリニックの選定の仕方を参考に、歯科医院を選んでみると良いでしょう。