インプラントの治療中に引越しが…転院はできる?
2025/6/27
インプラント治療中に転勤や転居が決まった場合、転院はできるのでしょうか?
インプラント治療は、オッセオインテグレーションによってインプラントと骨が結合するのを待つ必要があるうえ、骨の状態によっては骨造成という骨を増やす処置を追加するので、治療期間が数ヶ月~1年以上かかることがあります。
このくらいの期間ともなると、勤務状況や生活環境が変わり、転勤や引越しということも十分起こり得るでしょう。
しかし、インプラント治療は専門性が高く、使用する器具や材料も歯科医院によって異なるため、途中で転院するのは難しいとされています。
もし、インプラント治療中に転勤など思わぬライフイベントにより、引越しをする必要性が生じた場合はどうすれば良いのでしょうか。そこで今回は、インプラント治療中の引越しに伴う転院についてご紹介します。
インプラント治療の段階と歯科医院の転院について
インプラント治療は、治療期間が長くなる傾向があり、途中で歯科医院を変えたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、インプラント治療の途中で転院することは、いくつかの注意点があり、どのタイミングで転院するかによって難易度も変わってきます。
手術前の転院はスムーズ
インプラント治療の治療計画に同意したものの、まだインプラントを顎の骨に埋め込む手術を受ける前であれば、特に問題なく転院は可能です。
この場合、転院先の歯科医院で改めてカウンセリングや検査を受け、新しい治療計画のもとで治療を始めることになるためです。
転院を希望する際は、現在の歯科医院にその旨を伝え、可能であれば、後述する紹介状やこれまでの検査資料(レントゲン写真、CT画像など)をもらっておくと、転院先での手続きがスムーズに進むことがあります。ただし、初診料や検査費用が別途かかることを念頭に置いておきましょう。
手術後の転院はハードルが上がる
インプラント体を埋め込む手術を終え、によるインプラントと骨の結合を待っている期間は、可能な限り転院は避けるべきです。
冒頭でも触れましたが、この時期はオッセオインテグレーションを待っている期間にあたり、オッセオインテグレーションはインプラント治療の成否に関わる大切な条件です。
また、仮歯で過ごしていることも多く、もし仮歯が取れたり壊れたりした場合でも、治療の経緯を把握していない別の歯科医院では、対応が難しいことがあります。
インプラント治療は専門性が高く、治療内容は同じように思えても、元の歯科医院と転院先とで、治療方針や使用するインプラントの種類が異なるケースは少なくありません。
治療方針が異なると、一貫した治療とならないため、様々な問題が生じる可能性があります。
治療完了後ならば転院しやすい
インプラント治療が上部構造(人工歯)の装着まで完了し、メンテナンスの段階に進んだ状況での転院は、治療途中の転院に比べて歯科医院を変えやすいと言えるでしょう。
ただし、インプラントは定期的なメンテナンスが大切!のコラムでもお伝えしたように、インプラントのメンテナンスは、一般的な歯のクリーニングとは異なり、インプラントならではの対処が必要です。そのため、どの歯科医院でも気軽に受けられるわけではない点には注意しなくてはなりません。
また、万が一インプラントに何らかのトラブルが生じた際、転院によって保証が無効になるケースもあるため、事前に確認しておくのが良いでしょう。
こうした理由から、転勤や引越しなど、やむを得ない事情がない限りは、治療を受けた歯科医院で継続してメンテナンスを受けることをおすすめします。遠方にお住まいの場合でも、定期的な通院であれば、週末などを利用して通うことも検討してみましょう。
やむを得ず歯科医院を変える場合に知っておきたいこと
インプラント治療のタイミングによって、転院の難易度が変わることをお話ししてきましたが、どうしてもインプラント治療の途中で歯科医院を変更しなければならない場合もあるはずです。
そのような時は、特に以下の点に留意しましょう。
診療情報提供書(紹介状)を書いてもらう
現在インプラント治療を受けている歯科医院に、これまでの治療に至った経緯やインプラント治療の経過(手術日、術後の状態など)について記載された、診療情報提供書(紹介状)を作成してもらいましょう。
診療情報提供書は、ご自身で開封せずに転院先の歯科医師に提出するようにしてください。
使用しているインプラントメーカーと製品情報を把握しておく
治療に使用されるインプラントや関連する部品は、メーカーごとに規格が異なり、原則としてメーカー間の互換性はありません。
国内外には多くのインプラントメーカーが存在するため、ご自身がどのメーカーの、どの種類のインプラント(製品名やシステム名、品番など)を使用しているかを正確に把握しておくことが重要になります。
これについては治療を受けた歯科医院に確認し、書面で提供してもらうように依頼してください。また、複数のインプラントを異なる場所に使用している場合は、それぞれの情報を分けて記録してもらうようにしましょう。
転院を希望する歯科医院に問い合わせる際に、使用しているインプラントメーカーや種類をきちんと伝えることで、その歯科医院で対応できるかどうかを確認できるようになります。
インプラント治療の転院先を選ぶ際のポイント
インプラント治療の途中で歯科医院を変更する場合、どの医院でもスムーズに治療を引き継げるわけではありません。転院先を選ぶ際は、以降でお話しするポイントを参考にして、検討してください。
インプラント治療・メンテナンスに対応している歯科医院を選ぶ
インプラント治療には、手術に使用する器具だけでなく、治療後の定期的なメンテナンスにも専用の器材が必要です。
全ての歯科医院がインプラント治療を行っているわけではありません。対応していない歯科医院では、そもそもインプラント用の設備や必要な器材を備えていないこともあります。
転院先を探す際には、まずその歯科医院がインプラント治療やその後のメンテナンスに対応しているかどうかをホームページで確認したり、電話で問い合わせたりして確かめるようにしましょう。
現在使用しているインプラントメーカーに対応しているかを確認する
前述のとおり、インプラントや関連部品は、メーカーごとに規格も形状も異なっています。
もし、治療中や治療後に「インプラントが緩んできた」「上部構造(人工歯)が破損した」といったトラブルが発生した場合、転院先が同じメーカーの製品を取り扱っていなければ、適合する部品や専用の器具がないため、処置が難しくなります。
そのため、転院先の歯科医院を選ぶ際は、ご自身が使用しているインプラントと同じメーカーのシステムを導入しているかどうかを確認するようにしましょう。
インプラントオフィス大通では、世界的な信頼のあるストローマン社製のインプラントを使用しています。
治療費用と担当範囲を把握しておく
自由診療のインプラントは、治療費や治療完了後のメンテナンスにかかる費用が歯科医院によって異なります。これは、同じメーカーのインプラント製品を使用している場合でも同様です。
治療途中で転院する場合、これまでの治療費の精算と、今後の治療にかかる費用の内訳などを明確にしておくのが良いでしょう。
また、どこまでの治療が元の歯科医院の担当範囲で、どこからが新しい歯科医院の担当範囲になるのか、しっかりと確認しておくことも大切です。もし将来的にインプラントに何らかの問題が生じた場合、元の歯科医院の治療に対するものか、転院後の治療やメンテナンスによるものかで、責任の所在や費用負担が変わってくる可能性があるからです。
併せて、万が一インプラントにトラブルが生じた際の各歯科医院の対応についても、把握しておくのが望ましいと言えます。
インプラント治療中の転院でお困りの方もインプラントオフィス大通にご相談を
今回は、インプラント治療中の引越しについてお話ししました。
インプラントは、メーカーごとに部品や使用する器材が全く異なりますし、治療中の状態を伝えるのも困難ですので、転院はなかなか難しいのが実情です。可能であれば、治療を開始した歯科医院で最後まで治療を受け、その後のメンテナンスまで継続して診てもらいましょう。
しかし、やむを得ないご事情で、どうしても転院が必要な場合もあります。インプラントオフィス大通では、トップページでお伝えしているように、様々な症例に対応してきた豊富な経験と実績があり、他院でインプラント治療を開始された方のご相談も承っております。
これからインプラント治療をお考えの方で、お仕事のご都合などにより、将来的な転居の可能性がある場合や、現在治療中の歯科医院からの転院をご検討されている場合は、どうぞお気兼ねなく札幌のインプラントオフィス大通にお問い合わせください。