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コラム

インプラントに電動歯ブラシは使えるの?

2025/5/7


電動歯ブラシは、手で磨くタイプの歯ブラシと比べて、効率よく歯の汚れを落とせると言われています。

実際、日々の歯磨きに電動歯ブラシを取り入れている方も増えていますから、インプラント治療を考えている方の中にも、電動歯ブラシの愛用者がいらっしゃるでしょう。

ただ、そのような方であれば「インプラントにも電動歯ブラシを使って良いのだろうか?」という疑問をお持ちではないでしょうか。

そこで今回は、インプラント治療後の電動歯ブラシの使用について解説します。

インプラントは電動歯ブラシで磨いても良い?



結論からお伝えすると、インプラントの歯磨きにも電動歯ブラシを使用できます。

インプラント治療後の歯磨きについては、インプラントの歯磨き方法と注意点のコラムで詳しく解説していますが、基本的に、通常の歯ブラシ(手で磨く歯ブラシ)でお手入れできる状態のインプラントであれば、電動歯ブラシを使っても問題ないと考えて良いでしょう。

ただし、インプラントの状態によっては普通の歯ブラシでも注意が必要な場合があります。ご自身の判断だけでなく、必ず担当の歯科医師に相談してから使用するようにしてください。

電動歯ブラシの種類

まず、電動歯ブラシにはどのような種類があるか見てみましょう。

電動歯ブラシは、ヘッド(ブラシ部分)の動き方によっていくつかのタイプに分けられますが、現在主流となっているのは回転式音波式の2つです。

回転式



回転式は、丸いブラシ部分が回転または反復回転することで、物理的に歯の汚れをこすり落とす電動歯ブラシです。

比較的小さなヘッドで、歯を1本ずつ包み込むように磨けるのが特徴といえます。

回転部分が高速回転することから、高速運動式と呼ばれることもあります。

音波式



音波式は、ヘッド部分が直線運動をして歯の汚れを落とす電動歯ブラシです。

ヘッド部分が運動すると、200~300Hzの音波振動が発生します。この音波振動により毛先が振動し、毛先から出る細かな水流で歯の汚れを落とします。

電動歯ブラシの種類や選び方については、同じ医療法人社団 千仁会の提携医院である、ポラリス歯科のコラム「電動歯ブラシを選ぶ前に知っておくべきポイント」をご参考になさってください。

インプラントには圧力センサー付きの電動歯ブラシがおすすめ



インプラントの歯磨きに使う電動歯ブラシは、回転式と音波式のどちらでも良いのですが、選ぶ時は、圧力センサーがついているものがおすすめです。

電動歯ブラシを使う際、つい歯に強く押し当ててしまうことがありますが、強い力で磨くと、天然の歯であっても歯茎などを傷つけてしまう可能性があります。

※画像は分かりやすくするために例示したもので、当院が推奨する商品ではございません。

インプラントは天然歯よりも注意が必要

インプラントは特にデリケートなため、天然歯以上に優しい力で丁寧に磨くことが大切です。とはいえ、自分で適切な力加減を把握するのはなかなか難しいものですよね。

そんな時に便利なのが、当てる力が強くないかどうか検知する圧力センサーです。インプラントにブラシが強く当たりすぎるのを防ぐため、電動歯ブラシを選ぶ際は、圧力センサーがついているかどうかもチェックしてください。

製品によっては押し付け防止センサーなど、名称が異なる場合があります。詳しくは店頭などで確認することをおすすめします。

電動歯ブラシのメリット

インプラントのケアに電動歯ブラシを使用するのには多くのメリットがあります。

クリーニング効果が高い



電動歯ブラシは、一定の力と動きで磨いてくれるため、正しく使えば手磨きよりも短時間で効率的に歯垢(プラーク)を除去できるようになります。

マッサージ効果がある

歯ブラシで歯を磨くと、歯肉のマッサージ効果が得られます。

これは普通の歯ブラシ、電動歯ブラシに限らず得られる効果ですが、電動歯ブラシの方が、一定の振動と動きで歯肉を刺激できるので、歯肉のマッサージ効果が高いと言えるでしょう。

インプラント周囲炎の予防効果



これまでもインプラントコラムで取り上げてきたように、インプラント周囲炎インプラントの歯周病ともいえるもので、インプラントが傷んだり、抜けたりしてしまう理由のトップに挙げられる病気です。

インプラント周囲炎の原因は、通常の歯周病と同じくお口の中の細菌(歯垢)であり、丁寧な歯磨きが予防の基本となります。

電動歯ブラシを正しく使うことで、インプラント周囲の汚れを効果的に除去できれば、インプラント周囲炎のリスク軽減につながります。

電動歯ブラシの注意点

メリットも多く、便利な電動歯ブラシですが、注意点もあります。

使い方によってはインプラントを傷つけることがある



電動歯ブラシは手磨きとは異なる使い方をします。先ほど、インプラントは天然歯よりも注意が必要とお伝えしましたが、力を入れて磨くのは良くありません。

電動歯ブラシで磨く際、ゴシゴシ動かしてしまうと、かえってインプラントや歯ぐきを傷つけてしまう恐れがありますので、製品の説明書をよく読み、正しい使い方を守るようにしてください。

充電や電池交換の手間



電動歯ブラシは文字どおり電気で動くため、定期的な充電や電池交換が必要です。充電や電池の交換を忘れてしまうと、いざ使いたい時に動かないということも起こり得ます。

コストがかかる

電動歯ブラシは、本体価格に加え、交換用のブラシヘッドも、手磨き用の歯ブラシよりはどうしても高価になります。

電動歯ブラシを購入する際は、初期費用だけでなく、継続して使用するためのランニングコストも考慮して選ぶようにしましょう。

電動歯ブラシで磨く時のポイント

手は大きく動かさない



電動歯ブラシはブラシ自体が動いて汚れを落とすため、手磨きのように手を大きく動かす必要はありません。基本的には、磨きたい箇所にブラシを優しく当てるだけで十分です。

強く押し付けない

お伝えしてきたとおり、電動歯ブラシを強い力で押し付けるのは避けるようにしましょう。ブラシの毛先が軽く触れる程度の力で磨くのが基本となります。

歯の間の清掃には歯間ブラシやデンタルフロスを



電動歯ブラシはとても効率的に歯を磨けますが、歯と歯の間はなかなか磨けません。これは手で磨く場合でも同様ですが、インプラントとインプラントの間、インプラントと歯の間は、歯間ブラシやデンタルフロスを使ってきれいにするようにしましょう。

歯間ブラシを使ってインプラントを清掃する方法については、インプラントの歯磨き方法と注意点のコラムで解説しておりますので、併せてご参照ください。

電動歯ブラシを上手に活用して、インプラントを長持ちさせよう



今回は、インプラントの歯磨きに電動歯ブラシは使えるのかについてお話ししました。

基本的には、普通の歯ブラシが使える状態であれば、インプラントにも電動歯ブラシを使用して問題ありません。むしろ、正しく使えば、手磨きよりも効率的にインプラント周囲の汚れを除去できる可能性があります。

ただし、「強く当てすぎない」「手を大きく動かさない」といった電動歯ブラシならではの使い方を守ることが大切です。また、歯間ブラシなどの補助清掃用具も併用するようにしてください。

定期的なインプラントのメンテナンスも忘れずに



電動歯ブラシは日々のセルフケアを効果的にサポートしてくれますが、それだけで十分というわけではありません。歯科医院でのチェックやクリーニングは忘れずに行うようにしましょう。

電動歯ブラシを上手に活用しながら、定期的なメンテナンスも継続することが、インプラントを長持ちさせるためのポイントとなります。

インプラントオフィス大通では、インプラントをできるだけ長く快適にお使いいただくために、治療後のメンテナンスにも力を入れており、患者さんのお口の状態に合わせた丁寧なケアをご提供いたします。

電動歯ブラシの使い方や選び方についてアドバイスをご希望の方や、ご自身のインプラントケアについてご相談がある方は、お気軽に札幌のインプラントオフィス大通にお問い合わせください。