旅立ち
旅立ちの日には、電車と船が似合うと当時勝手に決め付けていた。
24年前の今日3月31日、岩手の水沢を電車で出発した。
長い道中(13~14時間)、一人では寂しいだろうと思い、
同じ年、札幌医大に入学した級友のS君を
強引に誘った。
おそらく、彼にとっても、最初で最後の青函連絡船だったはずで、
いい思い出になったはずである。
青森から連絡船に乗り、
「凍えそうなかもめ」を見つめることはなかったが、
夜中ではあるが、離れ行く「内地」を後ろの甲板からしばし眺めていた。
4時間ほどで函館に到着。
未明の函館は、まだ、寒さが突き刺さるようだった。
電車に乗り換え、札幌に着いたのは、午前9時だった。
そこから、札幌での私の新しい生活が始まった。
新しい生活には、「期待」と「不安」がつきものであるらしい。が、
私には、「期待」だけがあふれていた。


















